面白い特許:この製法で作ったクラブヘッドは飛ぶかも!?

特許第6470818号「鍛造されたクラブヘッドの製造方法」
<特許公報の図1>


<特許公報の図2(ステップS1~S2)>


<特許公報の図3(ステップS4~S6)>

<特許公報の図4>

この製法で作ったクラブヘッドは飛ぶかも!?

<ざっくり解説>

 この発明は、クラブヘッドの製造方法に関するものです。

 クレームの詳細はここでは割愛しますが、この製法は、
準備ステップS1と、
第一予成形ステップS2と、
第二予成形ステップS3と、
精密鍛造成型ステップS4と、
部分的に微細化するステップS5と、
製品成型ステップS6を、行うものです。

 以下、各ステップについてみて参りましょう。

 準備ステップS1においては、適当な長さを備える棒材10を用意します。例えば、棒材10は、中炭素鋼材又は低炭素鋼材などです。

 第一予成形ステップS2においては、棒材10を900〜1100℃に加熱して予備成形金型に入れ、第一回の予成形鍛造を行って予成形半製品20を製造します。

 第二予成形ステップS3においては、第一予成形ステップS2で成形された予成形半製品20を、再び900〜1100℃に加熱して予備成形金型に入れ、第二回の予成形鍛造を行って予成形半製品20Aを製造します。

 精密鍛造成型ステップS4においては、第二予成形ステップS3で成形された予成形半製品20Aを再び700〜1000℃に加熱して精密鍛造用金型に入れ、精密鍛造を行って精密鍛造半製品30を製造します。

 部分的に微細化するステップS5においては、精密鍛造成型ステップS4で成形された精密鍛造半製品30の全体を300〜600℃に加熱してから、部分加熱手段を用いて打撃面Fの中央を400〜900℃に加熱します。

 製品成型ステップS6においては、部分的に微細化するステップS5で成形された精密鍛造半製品30Aの全体を700〜1000℃に加熱してから成形金型に入れ、第三回の精密鍛造を行って製品40を製造します。

 そして、上述した各ステップを行うことで、製品40(図4参照)の一部しか微細化させないことから、製品40における非打撃エリアAの結晶組織は、初析フェライトの結晶粒が大きく、パーライト組織の分布が均一となります。

 また、製品40における微細化エリアBは、初析フェライトの結晶粒が微細化されて大面積に分散され、パーライト組織がより広く分散されます。

 こういったことから、製品40の打撃面Fの硬度が強化されるので、クラブヘッドの打撃音がよくなると共に、使用者に心地よい打撃感を与えることができます。

 明細書には、エリアA,Bの金属組織図も開示されており、クレームももう少し複雑なものとなっていますが、ここでは各ステップの概要だけご紹介させて頂きました。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事118:JPB 006470818-000000

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