面白い特許:こんな個人発明もある!「熱延棒鋼の加速冷却方法」

特許第6503530号「熱延棒鋼の加速冷却方法」
<特許公報の図3>

<特許公報の図4>

こんな個人発明もある!

<ざっくり解説>

この発明は、熱延棒鋼の加速冷却方法に関するものです。

この熱延棒鋼の加速冷却方法の請求項は、
熱間圧延後の棒鋼を切断してウォーキングビーム式冷却床に搬送し、該冷却床において
搬送方向と平行に並列し垂直方向に並進しつつ加速冷却する方法であって、
1)冷却床を主に棒鋼列を上置し整列させる連続山形溝を上面に設けた数条のラックを平行枠状に組み立てた固定台と該固定台と同様の構造を持ち昇降と前後進の両方又は一方の駆動機構を持ち上下前後に周回可能とした駆動台とから構成し、
2)溝の形状と駆動台の周回軌跡とを組み合わせて、棒鋼の荷重を受ける溝上の2支点は常時、片側は固定台側他は駆動台側とすることにより駆動に伴って周回の全周において該棒鋼を転動させ、
3)棒軸と直交して衝風を作用させ、700℃から600℃における冷却速度を空冷の2倍以上とする、
というものです。

図3は、本発明の方法の一例を示しています。

固定ラック31固定溝32駆動ラック33駆動溝34昇降装置39台車40プッシャー41等は従来同様の構造を持ち両溝形状は同一です。

さらに、新たに周回軌跡36を従来の上下水平移動の周回に対して溝の両斜面と平行な四辺形の周回とします。この発明のポイントの1つは、この四辺形の大きさだそうです。そして、傾斜周回には昇降と前後進の機構・作動を適宜合成し、棒列35には、送風機38により衝風37を直交して作用させます。

そして、図4は、その駆動ラックの駆動軌跡と某鋼の転動を説明する図であり、図4のようにして駆動させます。

この発明によれば、「既存のウォーキングビーム式冷却床の不均一冷却を克服し、かつ、線材では常用されているが棒鋼では事例がない衝風冷却を組み込んで比較的簡素な設備により曲がり問題を解決しつつ合金量の節減を図ること」ができるそうです。

こういった専門的なものも個人の方が発明されているんですね。ちなみに、特許権者の方も、代理人の方も「山田」さんだそうです。

この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事117:JPB 006503530-000000
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