面白い特許「古典を自学自習できる道具」

特許第6251857号「教育補助具」
<特許公報の図1>

<特許公報の図2>

<ざっくり解説>
 この発明は、古典文法の並べた助動詞の接続が正しいかどうかを勉強するための多色の色印刷をしたプレートと着色枠を有するガイド枠プレートからなる教育補助具です。

この教育補助具は、古典文法を学習する際の助動詞・助詞の接続の勉強に使えるものです。

 その内容は、図1や図2で例示されていますが、請求項1の内容をざっくりいえば、

①未然形接続・連用形接続・終止形接続・連体形接続・已然形接続のそれぞれの異なる色から成る色印刷された5枚の助動詞のプレートと、
動詞、形容詞、形容動詞用の1枚のプレートと、
着色枠を有する1枚のガイド枠プレートと、
から構成されるものであり、
④未然形接続・連用形接続・終止形接続・連体形接続・已然形接続・動詞、形容詞、形容動詞の6枚のプレートは、未然・連用・終止・連体・已然・命令と記載された部分と、その下に設けた着色領域と、その上に、空欄又は印刷欄を有し、
⑤未然形接続・連用形接続・終止形接続・連体形接続・已然形接続のプレートと着色領域を有するプレートを正しい接続に並べたときに、プレートの色と命令形を除く活用形欄の下に表示された着色領域の同じ色が一致する、といったものです。

 その使い方はといえば、例えば、図2を例にすると、図2はプレートとガイド枠を重ねた平面図ですが、接続を判断する例えば赤色に色印刷されたガイド枠に囲まれた部分のプレートの色と活用形欄の下に表示された着色領域の色が一致していれば、正解になります。

 また、連用形接続のプレートを例えば青色に彩色し、連用形欄の下の着色領域を例えば青色に彩色して、接続が正しければ、色が一致するので、正解になります。

 例えば、完了を意味する「ぬ」という青色のプレートの助動詞の未然形「な」連用形「に」終止形「ぬ」連体形「ぬる」已然形「ぬれ」命令形「ね」は、「咲く」という動詞の連用形活用語尾「―き」に接続します。
 プレートの青色と「咲く」の連用形活用語尾「―き」の活用形欄の下に表示された着色領域の青色が一致していれば、正解であることがわかるので、自学自習ができるということのようです。

 古典という特定の科目に特化した学習教材として発明することもポイントの1つかもしれませんね。また、普段の学習時のちょっとしたアイデアを発明という形にうまく具現化できているのもいいですね。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事072:JPB_0006251857
~特許発明も、まずは小さなアイデアから~

Follow me!