良い発明って、どんな発明?
多くの発明相談を受けて思うのは、「現場から生まれる発明は筋が良い!」ということです。
発明が生まれるきっかけはいろいろあります。
ふとしたひらめき。
テレビを見ていたときに、ふと。
雑誌を読んでいたらふと。
ある製品を使っていたら、不便さを感じで、ふと
いろいろありますが、「筋が良い発明」、つまり、最も特許性が出やすい発明は、「長年、現場にいて、いつも不都合を感じていた。その解決策はないものかと、いつも考えて探していた。そのような状況から生まれた発明」です。
そのような発明は、まず、新規性があることが多いです。
そりゃそうですよね。長く現場にいて、現場を良く知っている人が、新しいことをしたのですから。
そのような発明の場合、調査の必要なしに、特許出願してもよい場合が多いです。
また、特許の要件として、新規性に加えて進歩性が必要ですが、このような発明は、とても便利になったとか、とても安くできるとか、かなりの効果があることが多いので、進歩性の要件を満たすことが多いです。
筋が良い発明の利点
発明の筋が良いので、あまりテクニカルなことをしなくても特許取得が可能です。
ここで、「テクニカル」とは、正式な業界用語ではありません。特許を取得するための小技というか、弁理士などが日常駆使している小技で、新規性がぎりぎりの発明について特許を取るためにする色んなことです。図面の描き方とか、文章の構成の仕方とか。
経験豊富な弁理士は、審査官に拒絶されたときに備えて、特許を取得するための隠し玉を出願書類にいろいろと仕込むのです。
「筋が良い」とは、血筋が良いということ。出所が良いということ。
特許の要件である「進歩性」は、「当業者が容易に思いつかなかった程度のものであること」です。
特許を取得するためには、新規性があるだけではだめなのです。
審査官は、立場上、当業者に成りきって審査をします。
傘の発明なら、傘の製造業者、自動車エンジンなら自動車開発者、薬の発明なら薬の開発者の立場から、審査をします。そして、容易に考えられたものは、「進歩性なし」として、出願を拒絶します。
しかし、あなたが当業者の場合、当業者がこんなに苦労して作ったものなんだ、と言われると、審査官は、そう簡単には拒絶できません。一見、簡単に見える発明でも、当業者が長年解決できなかった問題を解決したというのならば、それなりに評価しなければならないと思い、無下にはできません。
つまり、「出所が良い発明」は拒絶しにくいのです。
拒絶理由が通知され、それ応答することになると、それだけ弁理士費用がかかります。
拒絶されにくい発明は、審査で拒絶理由を通知されにくいということ。
それだけ、費用が低減できます。
良く知っている分野で発明をする
まずは、あなたが良く知っている世界で、不便を解決する発明を考えましょう。
それが、「筋の良い発明」です。
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