面白い特許:硫黄島の船からヒント。これで船底をきれいにキープ!

特許第5877402号「防汚塗料」

シンプルな発明でも権利化できる場合がある!?硫黄島の船からヒント。これで船底をきれいにキープ!

<ざっくり解説>

 この発明は、鋼船、FRP、船、木造船等の各種材料からなる船底、水中構造物、養殖用網、魚網、浮標、工業用水系設備等への海洋生物の付着、海藻の付着及び各種防汚塗料への利用が出来るイオウ粉末を含有する防汚塗料に関するものです。

 この防汚塗料は、粒径2~100μmのイオウ粉末10~20重量%を含有することを特徴とする海洋生物付着防止のための防汚塗料です(請求項1参照)。

【請求項1】  粒径2~100μmのイオウ粉末10~20重量%を含有することを特徴とする海洋生 物付着防止のための防汚塗料。

 従来は、自己研磨型塗料や加水分解型塗料といったものがありますが、こういった塗料の接着期間は短く、約6ヶ月程度であり、各塗料メーカーは長期接着の開発に取り組んでいるが、未だ有効な解決はなかったとのことです。この発明の防汚塗料はこういった点も改善できるというものです。

 この発明の請求項は一見するとシンプルなものですが、意外と、こういった発明も、これを開示した先行文献がない場合には特許になってしまうことがあるのですね。こういった発明が特許化されると、成立後に無効化するのは難しく、他社にとってやっかいな特許となるのかもしれません。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。

記事107:JPB_0005877402
~特許発明も、まずは小さなアイデアから~

開発したのは、鹿児島の 有限会社鹿屋造船さんです。↓

多数の関係者の皆様のご指導・ご協力のおかげで特許を取得する事ができました。

小さな弊社ではありますが、少しでも造船業界や漁業を営んでいる皆様省力化に貢献できれば幸いです。
鹿児島県三島村硫黄島の港の周りはさび色をしております。それは、鉄分の海です。
火山の噴出物(硫黄分)も流出しており、まさに鉄分と硫黄の海です。

硫黄島の船の船底には、フジツボやカキや海藻は全く生えておりません。付着しておりません。
自然科学が証明しています。

この塗料は、小型のレジャーボートや漁船などでの防汚効果は実証されておりますが、大型船にも塗装いただき、燃費の削減や塗装サイクルの先延ばしなどによる省エネ効果が期待できると確信しております。

http://kanoyazosen.sakura.ne.jp/products.html

この特許は、ライセンス、譲渡希望有りです。ご興味のある方は、ご連絡ください

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