Q特許出願の費用はどのらい?どうしたら安くできる?

特許取得までの流れは、こんな感じです。

<特許取得の道のり>
ステップ1:特許庁に特許出願する。
ステップ2:3年以内に「審査してね」と申し出る。→「審査請求」
ステップ3:審査開始。審査官から「先行技術と似てるよ」と拒絶理由がきたら、これに反論。
ステップ4:問題なければ、「特許OK」が届く。→「特許査定」
ステップ5:登録費用を支払うと、特許権が発生し、「特許証」が届きます。

とにかく、特許取得のためには、まず、特許出願(「特許申請」とも言われる)をしなければ始まりません。

特許出願の費用のうち、特許庁に支払う費用(印紙代といいます)は、
14,000円(2020年2月現在) です。
(特許庁、産業財産権関係料金一覧)参照
自分で特許出願すれば、この費用のみです。

ページ数は関係ありません。
図面の枚数も関係ありません。
請求項の数も関係ありません。

自分で特許出願すれば、安く済みます。

ただし、出願のための書類を作成するのは、結構ハードル高い作業です。
実際、そう簡単では無いです。

自分でやるか、プロに頼むか

法律上は個人が自分で特許出願できるとはいえ、実際はハードルが高いです。
特許庁は、どんな内容の出願書類でも一応受け付けてくれます。
しかし、それで特許が取れるかどうかは別問題です。

せっかく良い発明をしても、出願書類が不備だらけだと、特許の取得はできません。
書類に不備があると、審査の過程で、審査官に「不備があるよ」と指摘されます。

じゃあ、その時点で補正すればいいじゃないかと思うかも知れませんが、これが結構難しいんです。
補正は、最初に出願書類で開示した範囲内でしかできません

誤字脱字の修正程度はできます。

しかし、発明の概念の修正や追加はほぼできません
最初に提出した出願書類から読み取れないことを、あとから追加することはできないんです。

特許は、出願日基準です。
同じ発明をした者がいた場合、出願日が最も早い者が特許を取得できます。
ですので、出願後に補正して発明の範囲を広げることができるとしたら、ちょっとずるいですよね。
争いの元になってしまいます。

ですので、新たな事項が加わるような補正は一切認めていないのです。

「特許は取れなくてもよい。経験として自分でやってみたい」
というのなら良いですが、そうでないのなら、自分で書類を作成して出願するのは危険です。

いくら素晴らしい発明だったとしても、書類が不備だらけだと、取り返しがつきません。
せっかくの発明が死んでしまう場合もあります。
(実際、個人発明家が自分でした特許出願は、問題だらけです。ゴミというか・・・)

ほかにも理由があります。

出願書類は、出願から1年半で公開されます。
オンラインで誰でも検索できる状態になります。
あなたの名前も公開されるのです。
あまりにひどい文章だと恥ずかしいですよね。

そのような理由から、プロに頼んだ方が良いでしょう。
弁理士に依頼すると、特許庁の印紙代の他に、さらに、弁理士費用がかかります。

簡単な構造の発明の場合、15~25万円くらいでしょう。
構造が多少複雑で、10数枚の図面を用いて説明しなければならない発明の場合は、25~35万円くらいと思います。

コンピュータ関連の発明や、化学の発明など、高度な技術分野の場合35~45万円くらいとなることがあります。

費用はかかりますが、優秀な弁理士だと、適格な出願書類を作成してくれます。
それに、いろいろな細かなアドバイスも貰えるので、今後の作戦を立てるのに役立ちます。

相性の合う弁理士事務所を探しましょう。

質の良い弁理士がいる特許事務所であれば、価格帯はそれほど変わりはないと思います。
提示される価格の微差にとらわれず、相性の良い弁理士さんを探すといいですね。
数万円安いだけで、相性の悪い弁理士に頼むと、後々、嫌な思いをするでしょう。

また、格安を売りにしている弁理士事務所も絶対避けた方がよいです。
特許出願の書類の良し悪しは素人では分かりませんよね。
悪徳弁理士は、素人相手なら何でもできてしまいます。

弁理士の費用は単純に人件費です。
格安ということは、当然、時間をかけてはくれません
何らかの理由で仕事が無くて、格安でもいいから引き受けようとする問題のある弁理士かも知れません。後々、丁寧なアドバイスも貰えません

弁理士を判断するうえで、名の知れた企業の代理をしているかどうかは一つの判断の目安になるでしょう。

弁理士費用を安くする方法

「費用を抑えたいけれど、出願書類はきちんと作成して欲しい」と思いますよね。
弁理士の費用は、人件費なので、時間のかかる面倒なことは高くなります。

弁理士の費用を抑えたい場合は、発明のポイントが分かりやすい図面を自分で用意するなどして、弁理士の労力を極力削減すると良いでしょう。良心的な弁理士であれば、それだけで、費用を割引してくれると思います。

参考になりましたでしょうか。
まずは、あなたの目的に合う弁理士を探してみるしかありません。

 

 

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