面白い特許:こんな発明も特許に

特許第6545344号「蓋板」
<特許公報の図1>

記事024:JPB6545344

<特許公報の図4>


こんな発明も特許に

<ざっくり解説>

 この発明は、金具類及び金釘無し棺の構成要素のうちの1つである蓋板に関するものであり、火葬用の棺桶などの蓋について、棺の燃焼に伴う有害物質の発生を抑制すること、および故人の遺骨に金釘やタッカー針が混入したり、金釘やタッカー針により故人の遺骨を傷つけたりすることを抑制することができる、というものだそうです。

 この蓋板は、
 全ての構成要素が可燃性素材より形成されている金具類及び金釘無し棺に用いられる、前記構成要素のうちの1つである蓋板であって、
 前記金具類及び金釘無し棺の内部を視認するための窓部と、
 前記窓部の周囲に形成されたと、
 前記溝に嵌入された窓枠と、を備え、
 前記窓枠は、前記溝に嵌入される凸部を備えているとともに、前記窓枠の断面において、内側の段差が外側の段差に比べて大きい段違いの形状となっており、
 前記凸部が前記溝に嵌入された状態において前記窓枠の内側に形成された隙間に、スライド式の扉が設けられている
というものです。

 図1は、棺1(金具類及び金釘無し棺)の外観を示す斜視図です。

 棺1は、棺1の長手方向の側面を構成する2枚の第1側板2(側板)、棺1の短手方向の側面を構成する2枚の第2側板3(側板)底板4及び蓋板5を備えています。第1側板2及び第2側板3を接合することで棺1の壁面が構成されています。

 つぎに、第1側板2の第1接合端部38と第2側板3の第2接合端部39との接合態様について、図4を参照しながら、見てみましょう。

 図4は、第1側板2と第2側板3との接合の一態様を示す図であり、図4は、図1の点線内のうち、要部を示しています。

 第1側板2の、短手方向の側壁の上端部において、長手方向へ切り欠きが形成されていますね。この切り欠きが形成されることにより、第1側板2の上記上端部には、第1接合面16a及び第1接合端面17aが形成されています(第1接合面36)。

 また、第2側板3の、短手方向の側壁の上端部において、長手方向へ切り欠きが形成されていますね。この切り欠きが形成されることにより、第2接合面16b及び第2接合端面17bが形成されています(第2接合面37)。

 第1側板2の短手方向の側壁面31と、第2側板3の端部32とを重ね合わせ、第1接合面36及び第2接合面37へ、接合部材15を載置します。

 接合部材15は、第1接合面16a及び第2接合面16bの双方に跨る形状を有しており、接合部材15の接合面18aの形状は、第1接合面16aの形状と略一致しています。同様に、接合部材15の接合面18bの形状は、第2接合面16bの形状と略一致しています。

 第1接合端部38及び第2接合端部39には、上述したように、それぞれ切り欠きが形成されています。そして、接合部材15は、第1側板2及び第2側板3を接合したときに上記切り欠きによって形成される形状と同一の形状(L字形状)を有しています。これにより、接合部材15を側壁の一部として含めることができます。

 このような構成をとることで、金釘及び金具類を用いて接合する従来の棺と同様の形状を維持でき、安定して蓋板5を側壁に取り付けることができますね。

 こんな分野でも特許があるんですね。視点を変えてみれば、金具を使用しない組み立て方を棺桶に適用してみたら、特許になったと言えなくもないですね。こういったアプローチもアリ、なのかもしれません。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事024:JPB6545344

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