面白い特許:災害時に助けになる発明

特許第6572362号「行動喚起プログラム及び携帯端末装置」
<特許公報の図1>

災害時に助けになる発明

<ざっくり解説>

 この発明は、行動を喚起させる情報に基づく率先行動により行動喚起を促す行動喚起プログラム等に関するものです。

 この行動喚起プログラムは、
 災害が発生した場合に配信される災害発生情報を受信する喚起情報受信手段
 前記災害発生情報を受けて、避難行動を開始した旨の行動開始情報、及び当該行動開始情報を送信する旨の情報を入力するための入力ボタンを同一ページ内で開始入力画面に表示する開始表示制御手段
 利用者の操作により、前記開始入力画面から前記行動開始情報を送信する旨の情報が入力された場合に、予め登録されているメールアドレスに前記行動開始情報と共にどの避難場所に避難するかを示す避難場所の情報を送信するための配信情報を作成する行動開始情報送信手段
としてコンピュータを機能させる
、というものです。

 行動喚起プログラムにおいては、災害が発生した場合に配信される災害発生情報を受信し、災害発生情報を受けて、避難行動を開始した旨の行動開始情報、及び当該行動開始情報を送信する旨の情報を入力するための入力ボタンを開始入力画面に表示し、利用者の操作により、前記開始入力画面から行動開始情報を送信する旨の情報が入力された場合に、予め登録されているメールアドレスに行動開始情報を送信するための配信情報を作成するようにコンピュータを機能させます。

 これによって、避難行動を開始した旨の行動開始情報などを、入力ボタンを押すことで送信でき、避難開始が操作により遅れてしまうことを防止することができると共に、他の人に行動を促して率先行動者として行動を起こすことができます。

 もうすこし具体的なシステムについて図面を参照しつつ見てみましょう。

 図1は、携帯端末装置を用いた避難管理システムのシステム構成図です。

 この避難管理システム1は、
 利用者が所有し、災害発生時に入出力装置や情報管理装置や演算装置として機能するための災害対応アプリケーションがインストールされた携帯端末装置2と、
 災害対応アプリケーションが動作するための必要な情報管理や演算を行う災害管理サーバ3と、
 安否確認のための安否情報を管理する安否確認装置4
を備えており、これらが電気通信回線により接続されて情報のやり取りを行います。

 例えば、緊急地震速報のような通知を携帯端末装置2で受信すると、それをトリガとして携帯端末装置2の現在地を取得し、災害管理サーバ3に送信します。

 そして、災害管理サーバ3では、取得した現在地から携帯端末装置2の利用者の最適な避難場所の選定及び避難経路の演算をします。

 演算された避難場所及び避難経路の情報は携帯端末装置2に送られ、携帯端末装置2の画面上に地図情報と共に表示されます。

 また、携帯端末装置2の画面上には避難を開始したことを入力するための入力画面が表示されます。携帯端末装置2の利用者は避難を開始した旨を入力し、避難経路に沿った避難を行います。

 入力された避難を開始した旨の情報は、安否情報を管理する安否確認装置4に送信されます。安否確認装置4では、送信された情報を安否情報として登録し、この時点では「避難開始済み」の状態で登録されます。

 この避難を開始した旨の情報が入力されると、その情報を安否確認装置4に送信すると共に、予め携帯端末装置2の災害対応アプリケーションで登録された宛先に送るようにし構成することもできます。そうすることで、自分が避難を開始したことを予め登録された(家族などの)宛先の人物に知らせることができます。

 近年、地震や水害などの大規模災害による被害がクローズアップされています。こういったプログラムなどを活用することで、被害を少しでも減らせることができれば素晴らしいですね。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事016:JPB6572362
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