ちょっと変わった「染色剤の製造方法」
特許第6220469号「染色剤の製造方法」
<特許公報の図1>
<ざっくり解説>
この発明は、庵治石を原料とする染色剤の製造方法などに関するものです。天然染色剤の1つである鉱物由来の染色剤(鉱物染色剤)の原料として、庵治石という香川県の庵治町・牟礼町にまたがる八栗五剣山山麓で採れる細粒黒雲母花崗岩が用いられているそうですが、庵治石を加工する際に多量の石粉が発生しますが、これらは利用価値が少なく、現状では産業廃棄物として廃棄されているそうです。この発明は、こういったものを染色剤の原料として有効活用しようとするものようです。
具体的には、
①庵治石の石粉をタンニンを含有する柿渋溶液に混合して静置すると、この混合液は、上澄み液の層と、色がついた液体層と、ケイ素を主成分とする白色層と、残渣層と、に分離します。
②そして、この混合液から色がついた液体層を分離して、(鉄の含有率が最も高く、カルシウムの含有率が二番目に高く、カルシウムの含有率についでカリウムとケイ素の含有率が高い)液体染色剤を得る、という製法です。
なお、いわゆるメカニズムについて、明細書では「本発明・・・(略)・・・によって得られた液体が染色剤となる理由ははっきりとしないが、・・・(略)・・・柿渋にはタンニンが含まれて・・・鉄分が多く含まれているので、この鉄分が発色を生じさせていると考えられる。」と記載されています。
資源の有効活用といった視点から生まれた発明といえそうですね。
この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事082:JPB_0006220469
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