面白い特許:これで良い音が奏でられる!?

特許第6524377号「アコースティックギター胴体の表面板」
<特許公報の図1>


<特許公報の図2>

これで良い音が奏でられる!?

<ざっくり解説>

 この発明は、アコースティックギター胴体の表面板に関するものであり、調弦時弦を引くとき、梃の働きで後が浮き上がり、前が沈む現象が抑制され、表板の撓む力を抑えることができ、繊細な音振動をより素直に表面板を伝えることができる、というものです。

 この請求項1は、
「表面板と裏面板と枠板で構成される、アコースティックギター胴体の表面板であって、該表面板が弦張力による撓みを防ぐために、表面にサドルと弦止めを分離して取り付けられているとともに、
 前記表面板の裏面にそれぞれのスペースに合わせて長さの異なる主ブレーシング材副ブレーシング材が前記サドルの裏面を中心として放射状に取り付けられているとともに、
 前記主ブレーシング材は縦用主ブレーシング材横用主ブレーシング材の2本で構成されて、十字形に組み合わされておりその中心は前記サドルの裏面になる、又前記横用主ブレーシングの高音部側が前記弦楽器胴体の枠板に架設するように取り付けられていて、主ブレーシング材及び副ブレーシング材のすべてのブレーシング材の前記表面板の裏面への取り付け面は外側に膨らんだ曲線形になっている」
というものです。

 図1は、表面板、表面1で、定位置にサドル4を設置、弦止め5の幅の1.5倍以上の間隔をあけて弦止め5を固着しています。

 図2は、表面板、裏面2で中心部に主ブレーシング7,8が十字形に固着され、主ブレーシング7の高音部Hは胴体枠10に架け接着しています。そして、副ブレーシング9は主ブレーシング7,8の上下左右に放射状に固着しており、弦止め補強板6は表面1に固着した弦止め5の裏面に固着しています。

 調弦時弦の張力で表面板が撓む現象をサドル4と弦止め5を分割して部材が細くなり、また、間隔を保つことで梃の働きを解消できるので、ブレーシング7,8,9が表面板の振動を制御するだけに配置されているので雄大で繊細な演奏表現ができる、ということのようです。

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。

記事027:JPB6524377

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