面白い特許:この「耐震建築構造」は木造ハイブリッド構造に適用でき、
地震や津波に負けない高い安全性もある!

特許第6356330号「耐震建築構造」
<特許公報の図1>

<特許公報の図2>

<特許公報の図3>

この「耐震建築構造」は木造ハイブリッド構造にも使え、地震や津波に負けない高い安全性もある!

<ざっくり解説>

この発明は、木造ハイブリッド構造にも利用可能な耐震建築構造に関するものであり、耐震強度が極めて高い建材用結合部材と木材のプレカットの工程を省略でき、熟練技能者に頼らずに極めて高い耐震性能が得られるというものです。

今回は構造物に関する発明ですので、図面を中心に、発明の概要を把握してみましょう。

図1は、本発明の耐震建築構造の一例の正面図であり、図2は、図1の要部を示す斜視図であり、図3は、図2の反対側の斜視図を示しています。

まず、建材用結合部材1は、金属製であり、筒部11ベース部12コーナー部13とを一体的に有しています。
そして、筒部11は、柱取付孔14や横架材取付孔15を有しています。
さらに、ベース部12は、横架材取付孔15を有しています。
また、横連結棒5は、筒部11の柱取付孔14を介して柱3に固定されています(図2参照)。同じく、縦連結棒6は、ベース部12の横架材取付孔15を介して横架材2に固定されています(図3参照)。
そして、縦連結棒6の下端側がアンカーボルトを構成することで、建材用結合部材1は基礎に固定されています。

このような構造を有することで、コーナー部13において、横連結棒5と縦連結棒6が互いに接触・干渉せずに、取り付けることができますね。また、横連結棒5と縦連結棒6を併用できるため、高い補強効果も期待できますね
さらに、補強部材的に使用できそうなので、既存の木造建築物の耐震強度を補強する部品として、簡単に取り付けることができそうですね。
また、縦連結棒6がアンカーボルトを構成して基礎に固定されているため、基礎に堅固に取り付けることができるといった効果も見込めそうです。

このような効果を有する耐震建築構造は、層間変位(地震による水平方向のずれ)が少ないので上層階であっても高い安全性を確保できます。例えば、1階・2階(低層部)をRC構造、3階・4階(上層階)を本発明の耐震建築構造によって補強された木造構造とすれば、まさに木造ハイブリッド構造として地震や津波に強い建築物にできそうです。
そして、本発明の耐震建築構造は、図1に示すような直方体状の枠型にできるので汎用性が高いため、種々の木造建築物の補強材料として利用の幅が広がりますね。
さらに、窓等の開口部を設置しても高い耐震強度を確保できるため、学校の教室、集会場等の大空間施設の建設にも利用できそうですね。

この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事002:JPB 006356330

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