面白い特許:これで洪水の被害を緩和できる!
特許第6501961号「耐洪水塀を備えた耐水害建物およびリノベーション工法」
<特許公報の図1>
これで洪水の被害を緩和できる!
<ざっくり解説>
この発明は、洪水、高潮などの災害時に建物および居住者を水害からまもりつつ、建物内での長期の避難生活を可能とする耐洪水塀を備えた耐水害建物およびそのリノベーション工法に関するものです。
主な適用対象としては、集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物などです。
この請求項1は、
「建物としての集合住宅、ホテル、オフィスビル、または病院建築物の周囲に、該建物と間隔をおいて、
常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀が構築されており、
前記耐洪水塀は3m以上、かつ想定浸水深以上の高さを有し、3m以上、かつ想定浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀であり、
前記開口部には浸水時に該開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段が設けられていることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害建物。」
です。
図1は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害建物の一実施形態を概念的に示した図です。
建物1の周囲の敷地内に、建物1のほぼ全周を取り囲む形で耐洪水塀2を構築し、玄関につながる部分、その他常時の出入口となる部分にはその開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段を設けています。
洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときには、閉塞手段により開口部を閉塞することで耐洪水塀2の内側に隔離された平穏な空間3が形成できるようにしています。
そして、耐洪水塀2は水密性を有し、かつ洪水や高潮が発生した際の動水圧、静水圧に十分に抵抗できる構造、耐力を有するものとしています。
さらに、周囲が高い浸水深で浸水した場合の長期にわたる避難生活を可能とするため、建物1の屋上などに非常用の受水槽4と非常用発電機5を設置し、敷地内の地下に非常用の汚水槽6を設置しています。
この明細書には、台風などによる高潮や洪水による被害を問題視しており、東京都の場合であれば、江東区、葛飾区、江戸川区、足立区、荒川区、墨田区などは3~5mの親水が予想されることをふまえて、この発明がなされたことが記載されています。令和の台風などの水害が深刻なものであったことに鑑みると、先見の明があったのかもしれませんね!
この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。
記事086:JPB6501961
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