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特許第6052818号「疑似皮膚」
<特許公報の図2>


<特許公報の図1>


<特許公報の図5>


<特許公報の図6>

お医者さんには必需品?

<ざっくり解説>

 この発明は、皮膚縫合の手技に練習に使われる疑似皮膚に関するものであり、比較的安価でありながら、何回も皮膚の縫合練習をすることができるというものです。

 まず、図2は、この特許発明の疑似皮膚を示し図であり、図1は、この疑似皮膚をセッティングした練習器具(皮膚縫合練習器具)の斜視図です。

 図2(a)と(b)に示すように、疑似皮膚2は、
①人体の表皮に対応する表面フィルム層20と、
②表面フィルム層20の下層に位置し、人体の真皮に対応するフェルト層21と、
③表面フィルム層20とフェルト層21を厚さ方向に切断することで、人体手術の切開口に対応するスリット部22と、
を有しています。

 このように、疑似皮膚2は、表面フィルム層20とフェルト層21の2層で構成されており、縫合練習のときには、表面フィルム層20とフェルト層21を厚さ方向に切断することで、スリット部22を形成させ、スリット部22を縫合することで、人体皮膚の縫合練習をすることができます(図5図6ご参照)。

 この特許明細書によれば、「表面フィルム層20は、人体の表皮を模したものであり、人体の何れかの部位における表皮の平均厚さに形成されている。本実施形態においては、表面フィルム層20の厚さは、50μmに形成されている。表面フィルム層20の厚さを50μmにすることで、フェルト層21に表面フィルム層20が積層されている状態において、表面が縫合用手術針糸(外科用針糸)により破壊される時の抗力が、人体の何れかの部位における表皮が縫合用手術針糸により破壊される時の抗力とほぼ同一になる。また、縫合用手術針糸を疑似皮膚2に刺し入れ、縫合用手術針糸が表面フィルム層20及びフェルト層21を移動する時の抗力が、人体の何れかの部位に縫合用手術針糸を刺し入れ、縫合用手術針糸が表皮及び真皮を移動する時の抗力とほぼ同一となる。」そうです。ナルホド・・・

 つまりは、リアル感ある皮膚を再現できます、ということでしょうかね。お医者さんにとっては、この縫合セットがあれば、きっと外科の手技も上達して、“医龍”になれちゃうのでしょう!?

 冗談はさておき、特許としては、一見、安易に思いつきそうなアイデアであっても、その構造や部材などをさらに工夫することで、先行文献(従来技術)と明確な差別化を図ることができたりして、意外に特許になったりすることがあります。

 実際、基本的なアイデアを思いついたので弁理士に相談したところ、弁理士とブレストしているうちに、プラスアルファの工夫ができて、良い発明になったりすることもありますよ!

 この発明についてもっと詳しいことが知りたい方は、この特許公報を参照してみてください。

記事100:JPB_0006052818
~特許発明も、まずは小さなアイデアから~

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